ミラクルブサイク変身物語 ~沖縄ヒッチハイクシリーズ~
『沖縄ヒッチハイク6』
私をタダ乗りさせてくれたトラックの運ちゃんがとあるネオンが密集してるところで車を停めた。
やばい!!予想外の展開が起きてしまった、これだけは避けたかったことだった・・・・。ドキドキドキドキ
無口の運ちゃんがポツンと口を開いた。
運ちゃん 「飯食うか!」
なんてことだぁ~世界ヒッチハイク横断している猿岩石のように3日間飲まず食わずを経験するつもりだったのに・・・・ぜんぜんお腹だってすいてないのになぁ~
私 「ありざ~っす!(ありがとうございます)」
超無口な運ちゃんだったから、怒っているのか機嫌がいいのか分からない人だったから、ここはおとなしく、お礼を言っておこう。
そして、運ちゃんと一緒に「八幡のすし弁」という北陸では有名なコンビニとファミレスがくっついたような店に入った。そして、ちゃっかりカツ丼をおごってもらった。
ココまできて、私は自分が過食症であることをスッカリ忘れていた。
カツ丼を普通に味わって食べることができた。
今まではまともに食べることができなかった。
普通に食べようものなら・・・
「ヨーイ、丼じゃない笑 ヨーイ、ドン!!」と同時に、大食い競争が始まる。
「さ~ 奈美選手はやいはやい!一気に丼ぶり2杯いっちゃいました!さ~これで吐けるか?いやごはんが詰まって吐けないようです。そこで奈美選手!吐き技に納豆を3 パック取り出したーーー!おぉっと一気に食べ干してしまいました。さ~今度こそ吐けるか?まだまだ足りない、シュークリーム6個、菓子パン4つ、あとラーメン3杯、スナック系2袋足りないようです。あー残念タイムオーバー・・・もうこれ以上吐けないようです・・・・奈美選手に下剤20錠の罰ゲームが待っています。」
というように毎日毎日、吐くためにどっぷりと食べていた。それが完全に吐けなかったら、毎晩のように下剤を 10錠以上飲んでいた。ひどいときには自殺行為でコーラック一箱全部飲んだこともあるくらいだった。
毎日、トイレには20回以上駆け込み、頭のてっぺんか らつま先まで鳥肌が立ちまくりだった。
私の体と歯はすでにボロボロ・・・。
だから私はまともに親とも友達とも食事をとることがなかった。
久しぶりに人と一緒に食事をすることができた。
一緒に食事したのは見ず知らずの無口なやさしい運ちゃん、運ちゃんほんとうにありがとう
かつ丼を満足に食べた後、また再びトラックは大阪に向かった。富山インターから何時間たったか覚えてないが、夜はすでに真っ暗だった。
大型トラックの助手席に座って、変わりゆく外の景色を食い入るように、窓ガラスを見ていた。
見るものすべてが新しい私の胸はワクワクドキドキ ずっとワクワクが止まらなかった
そしてどうやら大阪に着いたようだ。
大阪のどこかは分からないが、とあるファミリーマートで運ちゃんは降ろしてくれた。
最後まで無口でダンディーだった運ちゃん、顔はもう覚えてないけど本当にありがとう。
そして私は再びファミマの前からヒッチハイクを始めた。
大阪まで来たんだから怖い者はもう何もない!
つづく・・・
つづきはこちら→『沖縄ヒッチハイク7』
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