ミラクルブサイク変身物語 ~沖縄ヒッチハイクシリーズ~
『沖縄ヒッチハイク20』
沖縄に着いて、シスターハウスに居候してから、1週間・・・
ふと、ワタシはあることに気付いたのだった!
あれ?そういえば・・・ワタシって・・・・
普通になってる!ふつ~にご飯食べてるじゃな~い
沖縄ヒッチハイクの旅を始めてから、今までで一度も過食することもなかったし、吐くこともなかった。
今までは3日に1回、ひどいときは毎日のようにブタのように食べて、そして一気に吐くような生活をしていたのに・・・
まだ一度も食べ過ぎていない!
ブタになっていない!
吐いていない!!
教会のシスターハウスで居候するようになってから、いつもみんなでご飯を食べている。
しかも、食事の前には毎回、みんなでお祈りをしていた。
ハイビスカス姉妹
「ハレルヤ~愛する天のお父様、御子なるイエス様・・・
今日の素晴らしい1日を感謝します。・・・・
目の前のお食事も清めて感謝していただきます。・・・アーメン」
ワタシとシスターたち 「アーメン」
この祈りは毎回ささげられた。
大山のジミーにみなさんでディナーを食べに行ったとき・・・
まっさかこんなところで祈ることはないだろ~
な~んて思ってたけど、やっぱり祈りがあった。
マックにいるときも、どこにいっても、食事前は必ず神様に祈りを捧げていた。
ワタシの過食症がおさまっているのは・・・もしかしたら、この祈りのおかげかもしれない・・・
いや!違う!ココのシスターがすごい!!神様っていうかシスターがすごい!!
人目を気にせずに、祈りをささげる信じる心を持っている純粋なシスターたちがすごい
ワタシは神様っていうよりも・・・シスターに尊敬の念を抱いていた。
教会という神聖な場所はものすごぉ~く質素な生活、貧相な暮らしだとイメージされるだろうが、ココのシスターハウスは、ワタシにとってはとってもは贅沢で恵まれた生活だった。
毎日のように、教会に通う信者さんがシスターハウスに米・果物・ケーキの差し入れをしていた。
ジミーのケーキは絶対に冷蔵庫に常備していた。
ワタシは、こっそり見つからないようにケーキを食べていた。
ある日、ハイビスカス姉妹はワタシに教えてくれたことがある
ハイビスカス姉妹
「奈美さん、ココではすべてみんなで分けるのです。
たとえ一つのお菓子、一つのりんごしかなかったとしても、
ワタシたちはみんなで分けて食べるのですよ~。」
これを聞いて・・・ドキッとした。
ゲッ!バレてる・・・
1つのお菓子があったら・・・
ワタシは一人でペロり!と食べちゃう。
一人でコッソリと誰にも見つからないように全部食べちゃう
分けて食べるなんてことは考えたことがなかったかもしれない・・・
ワタシは、シスターに思いやり、助け合いの精神を教えられた。
次の日・・・
夕方からは識名にあるコンペン家で開かれる家庭集会に参加した。
ここではまたザビエル牧師がメッセージをするのだった。
ワタシは前日からとっても楽しみにしていた。
集会の内容というよりも、家庭集会の後のおいしい料理とスイーツが目的だった。
特に、スイーツの中村家のクンペンを食べたくって食べたくって待ち遠しかった。
メロンパンの端っこのようなほどよい固さと甘さを生地に、ピーナッツのすりつぶしを包む、あの間食、あの錬りっとした濃さがダイスキだった。
毎回、どこの集会に行くにも、ワタシは見知らぬ信者さんに背中を突かれた。
「あなたが奈美さんね~よかったさ~」
「石川県から来たの!!すごいさ~」
「沖縄に住んだらイイさ!お母さんも呼んだらイイさ!」
「まだゲタはいてるの?キャハハッハハ~」
高校生のワタシは、毎回、めんどくせ~みたいなノリでムスッとしながら答えていた。
「あ・はぁ・・・どうも」
「石川県はどこか分かってますの?」
「そうっすね・・・沖縄にずっといませんけどね・・・」
「おばさんには分からないかもだけど~ゲタ流行ってるんですけどね・・・」
高校生の悪ガキ態度にもめげずに、信者さんは毎回ワタシに質問攻撃してきた。
そして・・・
ザビエル牧師のメッセージが終わり・・・
またみんなで集団の祈りが始まった。
ワタシはすでに一緒にみんなでお祈りを始めた。
そう、妖しい妖しい!やばいやばい!!っと唖然として驚いていた私もすでに教会にハマッていた(笑)
ザビエル牧師 「左肩の痛みが癒されました~!偏頭痛の痛みが癒されました~!過食症がいやされました~!○○が癒されました~!○○が癒されました~!○○の○○が癒されました~!」
ワタシは(はぁ?今何て言ったの??過食症が癒されたとかなんとかって言ってたような・・・?)
ザビエル牧師の祈りが終わった後、集会が終わった。
終わった後に・・・ハイビスカス姉妹が目をまん丸くしてワタシのところにやってきた。
ハイビスカス姉妹 「奈美さん!!よかったですね~!過食症が癒されましたよぉ~」
ワタシ 「はぁ・・・そうなんですか?」
ハイビスカス姉妹 「今日の祈りで言ってましたよね!今日は癒しの聖霊が降りてきてたのですよぉ~」
ワタシ 「ふ~ん・・・そうなんですか・・・(ただ適当に言っただけでしょ~こんなんで治るわけがない!)」
ワタシの中では喜びよりも怒りがこみ上げていた。
こんなんで治るなら病院なんていらないよ!精神科にもいってないよ!
なんだかムカついてきた。
そして、おいしいコンペン姉妹の料理を食べて、楽しみにしていた中村家のクンペンを味わった。
やっぱりクンペンおいしぃ~
そして、帰り間際にこっそり中村家のクンペンをポケットに3つ入れて、シスターハウスに帰っていった。
その晩・・・最悪の事態が起きたのだった・・・
つづく・・・
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